こんにちはまーくんです。
いよいよ梅雨を迎えて春から夏への移り変わりを感じつつ、登山はしばらくお休みだなという方も多いでしょう。
梅雨明けはどこに登ろうか計画を立てている方も居ると思います。
そんな方達に僕からおすすめの山、尾瀬をご紹介いたします。
みなさんにとって尾瀬と言えば思い出されるのはなんでしょうか?
湿原、水芭蕉、色とりどりの高山植物、はたまた広大な雪原と言う方も居るかも知れません。
僕にとっての尾瀬は一面に広がる黄色い絨毯。そう、ニッコウキスゲのイメージです。
尾瀬は僕が登山を始めるきっかけをくれた場所。
僕は高校時代に演習として尾瀬へ行った事があります。
当時は山岳部の子達は何が楽しくてあんなに大きな荷物を持って歩き回っているんだろうか?
それが高校生の僕の印象でした。
演習当日の朝は霧のような小雨で徐々に天気は回復していく予報でした。
バスに乗り込み鳩待ち峠へ。その頃には雨雲は抜け、晴れとなっていました。
峠に到着するといくつかのグループに分かれて各自自由なルートを行きます。
僕達は尾瀬ヶ原に直接降りるのではなくアヤメ平を通って龍宮小屋を目指すことにしました。
アヤメ平までの樹林帯は景色も無くひたすら登り、辛いなと思った事を覚えています。
1時間ほど登り、徐々に森を抜けてポツリポツリと小さな湿原が現れました。
覗き込むとそこには大きな魚がいるわけでもなく、透き通った水に小さな水生生物や植物たち。
たまに見つかるサンショウウオに声をあげていました。
そんなこんなで賑やかに歩を進めていき、
ふと、眼下を見ると僕らが居る湿原のすぐ下に雲が見えました。
まるで雲の上にある庭園に居るような、そんな感覚になったと思います。そう思っているとあっという間にその雲は僕達が居る尾根を乗り越え、また別の場所へ流れて行きます。
自然の雄大さにあの時ほど胸を打たれたことはありません。
今となっては珍しくない光景も当時の僕には衝撃的でした。
アヤメ平からはまた樹林帯を抜け、龍宮小屋まで降りて行きます。
暗い森の中を抜け、よく晴れた陽射しの中に出ると目に飛び込んだのは広大な湿原に一面に咲いた黄色いニッコウキスゲの群生。
本当に今まで生きてきた世界とはかけ離れたような、とても眩しい光景でした。
気分は明るく、疲れなど全く感じることなくその後も歩き、道中で友人が木道から落ちたりと笑いのたえない1日となりました。
これが僕が登山を始めるきっかけとなった経験。
今もなお、訪れる度に当時の記憶が思い出される、僕にとっての登山の原風景が尾瀬なのです。
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尾瀬~ニッコウキスゲを求めて~後編